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「真景累ヶ淵」登場人物とあらすじ(その6) [落語]

6.勘蔵の死~迷いの駕籠

登場人物:

深見新吉(深見新左衛門の次男)

お累(新吉の妻)

三蔵(お累の兄で羽生村の質屋の主)

勘蔵(深見家の元・門番、新吉の伯父)

男(勘蔵が住む長屋の住人)

おかね(上記男の妻)

婆(勘蔵が住む長屋の住人)

駕籠屋

深見新五郎(新左衛門の長男、新吉の兄)

あらすじ:改心した新吉はお累に尽くし、その夫婦仲の良さに三蔵も感心していた。ある日、江戸から早飛脚があり、伯父の勘蔵が危篤状態とのこと。新吉以外に身寄りはなく、新吉にとってもたった一人の伯父。66歳と年も年だから、死に水を取るがよいと、三蔵は多分の手当を新吉に与えてくれた。

江戸下谷大門町にある勘蔵の長屋では、住人たちが勘蔵の世話をしてくれていた。勘蔵は新吉のことばかり噂をしていて、とても逢いたがっているという。

住人「勘蔵さん、新吉さんが来たよ」

勘蔵「有難え有難え、ああ待っていた、能く来た」

新吉「伯父さんもう大丈夫だよ・・・」

勘蔵は長屋の住人たちを帰し、新吉と2人になると改まった態度になり、形見を渡しておきたいという。汚れた風呂敷包の中から取り出されたものは1枚の迷子札だった。そこには深彫で「小日向服部坂深見新左衛門二男新吉」とあった。驚く新吉に、勘蔵は自分が深見家の門番であったこと、新吉は深見家の二男であること、兄の新五郎が行方不明であること、深見家はお取りつぶしになってしまったこと等々、これまでの経緯を説明する。真実を隠していたのは新吉がまっすぐに育って欲しいと思ってのこと。主従の関係にありながら、これまで厳しくしてきたことなどをどうかゆるして欲しいという。

新吉「そうかい、私は初めて聞いたがねえ、だがねえ、私が旗本の二男でも、家が潰れて三歳の時から育ててくれれば、親よりは大事な伯父さんだがら、・・・その恩は忘れませんよ・・・」

勘蔵は安心したように眠るように臨終した。小石川の菩提所に野辺送りし、供養した後、羽生村への帰路、駕籠屋の様子がおかしい。新吉は「亀有まで遣って、亀有の渡を越して新宿(にいじゅく)泊まりとしますから、四ツ木通りへ出る方が近いから、吾妻橋を渡って小梅へ遣ってくんねえ」と頼んだが、雨の降る暗闇の中、どういうわけか駕籠は同じ道をぐるぐる回るばかりで目的地へ到着しない。駕籠をあきらめ、小塚ッ原から一人で歩きはじめた新吉に一人の男が声をかけてきた。

男「おい若えの、其処へ行く若えの」

新吉は怖々と透かしてみると、年の頃38、9の色の白い鼻筋の通って眉毛の濃い、月代(さかやき)がこう森のように生えて、牢内から出たばかりという姿で、びっこを引きながらヒョコヒョコ近づいてくるので驚いたのなんの。

男「これは貴公が駕籠から出るときに落としたのだ、これは貴公様のか」

それは新吉の迷子札だった。

男「深見新左衛門の二男新吉はお前だの」

新吉「へエ私で」

男は新吉の兄の新五郎だった。お園を殺して、逃亡したが、お縄にかかり、長い間牢獄に入っていたという。牢を破って隠れ遂せて2年になるのだという。

新吉も近況を説明すると、新五郎が怒りだした。新吉が縁付いた三蔵は、新五郎がいた下総屋の元番頭で、お園殺しを訴人した憎き男なので、そんなところには帰るなという。

新五郎「永え浮き世に短けえ命、己と一緒に賊を働き、栄耀栄華の仕放題を致すがよい、心を広く持って盗賊になれ」

新吉「これは驚きました。兄上考えてご覧なさい。世が世なれば旗本の家督相続もする貴方が、盗賊をしろなぞと弟に勧めるということがありましょうか・・・。三蔵はそんな者ではございませぬ」

新五郎「手前女房の縁に引かされて三蔵の贔屓をするが、その家を相続して己を仇と思うか、サアそうなればゆるさぬぞ」

逃げようとする新吉だったが、道がぬかるんでいて転んでしまう。新五郎は上から押さえて、短刀(どす)で新吉の喉笛をズブリ・・・。

新吉「情けない兄さん・・・」

駕籠屋「モシモシ旦那・・・、大層うなされていなさるが・・・」

今のは夢であったかと新吉。今、どの辺かと尋ねると、ちょうど小塚ッ原のあたりだという。雨も上がったので、小用を足そうと降りると、そこはお仕置き場で、二ッ足の捨て札に獄門の次第が書いてある。始めに「当時無宿新五郎」と書いてあるので驚く新吉。怖々と細かに読み下すと、今夢に見た通りの罪状で、兄新五郎は処刑されたとあった。

以下、その7へ続く・・・。


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