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「真景累ヶ淵」登場人物とあらすじ(その3) [落語]

3.豊志賀の死

登場人物:

豊志賀(皆川宗悦の長女)

深見新吉(深見新左衛門の次男)

勘蔵(元・深見家の門番)

お久(小間物屋・羽生屋三五郎の娘)

鮨屋(蓮見鮨の大将)

女(蓮見鮨の女将)

駕籠屋

善六(豊志賀が住む長屋の住人)

彦六(同上)

あらすじ:

皆川宗悦の次女・お園の死から19年後。姉の志賀は御年39となり、富本の師匠として豊志賀を名乗っていた。お園と同様、豊志賀も男嫌いで堅いという評判で、この師匠なら安心ということで大家(たいけ)の娘も大勢稽古にやってくる。男は来ないのかというと、これが逆で、堅い女性の師匠の下には妙に男が集まるという・・・。深見新左衛門の次男の新吉もそんな男の一人であった。

新吉は御年21になっていた。元・深見家の門番である勘蔵(現在は新吉の伯父ということになっている。新吉は自らの出自を知らされずに育っていた。)のところでぶらぶらしていたが、元々が芸事が嫌いではなく、伯父のところにいて嫌みを言われるより、豊志賀の師匠のところにいる方が面白い。色々と手伝いなどをするうちに、師匠に気に入られ、食客(いそうろう)として、師匠宅の2階に寝泊まりするようになっていた。これではどうみても情夫だ。

堅いと評判の豊志賀だったが、新吉と深い仲になると、大勢いた弟子達は一人去り、二人去り・・・。残ったのは小間物屋・羽生屋三五郎の一人娘のお久だけとなってしまった。

お久は御年18で愛嬌のある別嬪さん。新吉の顔を見てはにこにこ笑い、新吉もうれしいからニヤリと笑う。その様子に豊志賀は嫉妬心が沸き、お久への指導が厳しくなる。しかし、お久は芸が上がると思うので師匠の指導に従う。また、お久は母親に死なれており、家では継母に苛められるため、師匠にどんなに辛くされても稽古にやって来た。

こんな調子なので悋気の焔(ほむら)の絶えない豊志賀の眼の下にポツリと訝(おか)しな腫物ができてしまった。腫れはどんどん大きくなり、紫色に少し赤味がかかり、ただれて膿がジクジク出る。眼も一方が腫れ塞がって、その顔の醜(いや)なことというものは何ともいいようが無い。

豊志賀は体調も崩し、食も喉へ通らなくなって、ますます痩せてしまい、骨と皮のように。そして顔の腫物は大きくなるばかり。けれども、新吉は師匠の世話になったことを思って、よく親切に看病をした。

豊志賀「新吉さん、私はね、どうも死にたいよ。私のようなこんなお婆さんを、お前がよく看病しておくれで、私はお前のような若い綺麗な人に看病されるのは気の毒だ気の毒だと思うと、なお病気が重なって来る。私が死んだらさぞお前が楽々すると思うから・・・。私が早く死んだら、お前の真底から惚れているお久さんとも逢われるだろうと思うからサ」

新吉「何を言うのだよ・・・」

夜は夜で、豊志賀は「新吉さん、新吉さん」と同じようなことを言う。寝付いたので疲れを休めようとごろりと寝ようとすると、また、「新吉さん、新吉さん、私がこんな顔で・・・」。

若い新吉は何を見てもこわがって尻餅をつくという臆病な性(たち)。不人情のようなだがとてもここにはいられない。大門町へ行って伯父の勘蔵に相談して、いっそのこと下総の羽生村の知り合いのところに行ってしまおうかなどと色々なことを考えているうちに、豊志賀は寝付いた様子。その間に新吉はふらりと外へ。茅町から片側町へかかるところで向から提灯を点けて来たのはお久。日野屋へ買い物に行くところだという。

新吉「師匠の枕元でお飯を食べると、おちおち咽喉へ通りませんから、何処かへ往ってお飯を喫(た)べようと思うが、一人では極まりが悪いから一緒に往っておくんなさいませ」

2人は蓮見鮨へ向かう。鮨屋では二階の四畳半の部屋に通された。2人が差し向かいで食事をするのは初めてで、色々と話をするうちに、お互いに下総に親類がいることが判明。お久は継母に苛められており、下総の伯父の三蔵に手紙を出して相談をしたら、下総に来てしまえとのこと。なので事によったら下総へ行きたいとおもっているとのこと。

お久の伯父のいるのは下総の羽生村で、ここは「累(かさね)伝説」のあるところだという話になり、新吉は自身の今の身の上も「累伝説」に近いものがあると、最近の豊志賀の気味の悪さを語る。よし、2人で下総へ逃げよう。すると、・・・

お久「新吉さん、ほんとうに私を連れて逃げてくださいますか」

新吉「ほんとうとも」

お久「豊志賀さんが野倒死にになっても?」

新吉「本当に連れて行きます」

お久「ええ、お前さんという方は不実な方ですねえ」

お久の綺麗な眼の下にポツリと一つ腫物が出来たかと思うと、見る間に紫だって腫れ上がった。新吉は驚いたのなんの。這々の体で勘蔵のところへ駆け込んだ。しかし、そこには一足早く利かない体の豊志賀が来ていて、新吉とのこれまでの経緯を説明。新吉との縁はフッツリ切って、これからは赤の他人とも、姉弟とも思って、死に水だけでも取ってもらいたいという。

新吉「お前先刻何処かの二階へ来やアしないかえ」

豊志賀「いいえ」

すると、さっきのお久の顔が腫れたのは気のせいだったのか?勘蔵に説教をされて新吉は豊志賀を送っていくことに。病人なので駕籠屋を呼び、豊志賀がそこに乗り込んだとき、「新吉さんはこちらですか」との騒がしい男の声。豊志賀の住む長屋の住人・善六だった。豊志賀が亡くなったので早く来て欲しいという。駕籠の中をのぞくと豊志賀の姿はなかった。新吉はぶるぶる震えて「南無阿弥陀仏・・・」。

新吉は伯父の勘蔵とともに七軒町にある豊志賀の長屋へ向かった。早桶をあつらえ、湯灌をする事になって蒲団を上げようとすると、そこに豊志賀の書置が・・・。

以下、その4へつづく・・・。


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